わたしたち横浜市民は、日ごろのくらしからにじみ出たさまざまな意見や願いをもって、この「1万人市民集会」につどいました。
わたしたち横浜市民は、みんなの心をよせあい、意見を交わし合って、この「1万人市民集会」で、新しい横浜市政への希望を確かめ合うことができました。
わたしたち横浜市民は、「1万人市民集会」の真剣な話し合いから、横浜の市政が、誰よりもわたくしたち横浜市民のものであることを、はっきりと認め合いました。
わたくしたち横浜市民は、わたくしたちの愛する横浜を立派に育て、いっそう住みよいまちにするために、200万市民みんなで話し合い、力をよせあっていこうと思います。
明日の、すばらしい横浜を築くもの─それは、わたくしたち一人ひとりの声と力なのです。
〇「1万人市民集会」は、飛鳥田市長が登場するときの公約であった。市長はこの集会を〝直接民主主義〟と呼び、地方自治体の政治を市民自らの手に取り戻すひとつの方法として提起したのである。
積年の保守市政は、地方自治の政治態様を無視し、中央集権の出先機関としてしか、自治体をみていなかった。つまり、自治体における民主主義をまったく不在にしてしまっているのである。市民や県民の地方自治に対する無関心さは、自治体の無能力さにぶち当たることによって、どうにもならない諦めを固定化し、ものいわぬ市民をつくりあげていた。
〝革新市政〟は、この現実から出発しなければならなかったし、その根底は民主主義を底辺から再構築することでなければならなかった。飛鳥田市政が、市長室の扉を取り払い、執拗に「1万人市民集会」を市議会に提出したのは、その具体的な方法の提出だったのである。市議会で四たびこれを否決したことは、逆に市民の側に、市政への市民の直接参加の必要性を理解させることとなり、同時に市民自身の自己規制をも訓練させる結果をうむこととなった。広範な全市からの参加を呼び掛けることから、地域のエゴイズムを自ら規制するという民主主義の成熟をうかがうことができる。
〇実施構想(7月23日の「市長と市民の会」第1回全市総会)
- 広く市民に呼びかけ約7千人を目標に集める。
- その中には、特別招待者として町内会長、自治会長、経済界、労働組合、文化人、報道関係代表を参加させる。
- 総会以前に、9月から10月の土、日曜日を利用して分科会を開く。
- 分科会は、「市民の健康」「こどもの教育」「婦人と消費生活」「未来の都市づくり」「道路交通問題」「ゴミ、水道など生活環境」に分け、1分科会2~300人の参加者を予定し、市職員、助言者をおく。
- 総会では分科会の結論を報告し討論する。その結果を市政に反映する。